この記事は tacoms Advent Calendar 2025 25日目の記事です!
tacoms で CTO をしている井上(@masa1934yg)です。
2025 年 9 月、tacoms と Mobile Order Lab 社の経営統合を発表しました。1 年前は競合同士で、去年の今頃は「Ordee にどう勝つか?」を真剣に議論していたので、まさか統合するとは自分も含め誰も想像していなかったと思います。それが今は同じチームとして働いており、統合により導入店舗数は 19,000 店舗を超え、大手チェーン上位 50 社の 50%以上にサービスを提供するまでになりました。
今日は開発チームの視点から、経営統合の振り返りと将来への展望についてお話しします。統合の背景については両社 CEO の note で詳しく触れているので、興味のある方はぜひ参照してみてください。
結論、統合して本当に良かった。。!!!
一言で振り返ると、統合という形が実現できて本当に良かったと感じています。何が良かったのか、いくつかの観点から振り返ってみます。
強力なメンバーが一気に増えた
統合により 10 名以上のメンバーが一気に加わったことは、何よりも心強かったです!エンジニアや PdM の採用がこれだけ難しい中で、開発体制が一気に強化されました。
2 社それぞれに採用の課題感があり、「プロダクトの開発スピードを加速するにはどうしたら良いか」という議論をしていた時期でした。その課題が統合という形で一気に解消されたのは大きかったですね。
プロダクト理解が爆速!!!
同様のニーズを満たす製品を作っていたこともあり、プロダクト理解のキャッチアップは双方にとって爆速でした(笑) 設計思想や技術課題の違いはもちろんありますが、本質的な部分の共通理解があったのでチームを移動する際のオンボーディング時間は非常に短かったと思います。
成功と失敗の経験を共有できた
競合同士がプロダクトや開発の話をざっくばらんにする機会なんて、普通はないですよね(笑)
統合後、双方のシステム構成や組織についてキャッチアップする中で、お互いの成功・失敗経験を共有できました。「あのときこうしておけば良かった」という話が、今後の意思決定に活きてくると感じています。
もちろん、良い面だけではなく大変な側面も多くあります。ただ、課題があったとしても心強いメンバーが増えたことは何よりも会社としての資産だと感じています。
3 ヶ月経った現状
統合から 3 ヶ月が経った今、プロダクト・組織・システムがどのような状態になっているのか整理してみます。
プロダクトの状況
tacoms は Camel シリーズ、Mobile Order Lab は Ordee シリーズをそれぞれ提供していました。
2 社のプロダクトのうち、重複していたのは以下の 2 つです。
- Camel と Ordee(デリバリー注文一元管理)
- Camel Order と Ordee Mobile Order(モバイルオーダー)
重複するプロダクトを両方販売し続けるわけにはいかないため、新規販売については Camel シリーズに一本化する方針を取っています。
一方、以下のプロダクトには重複がありませんでした。そのため、これらは現在も変わらず進化し続けています。
- Menu Manager
- Camel AI Call
- 開発中の新規プロダクト
組織の状況
統合以降、重複プロダクトを担当していたメンバーのチーム移動は発生しましたが、重複していないプロダクトのチーム体制は大きく変わっていません。
2 社のプロダクトラインナップにおける「重複あり・なし」のバランスが良かったため、全員が一斉にチーム移動とならなかったのはポジティブな点でした。結果として、統合をきっかけとした離職者はゼロでした。これは統合時の note でも言及されています。
システムの状況
Camel と Ordee の 2 つは現時点では統合されておらず、別々のインフラ環境で稼働しています。ただし、一部のプロダクトシリーズ間やデータ基盤周りでは連携も進んでいます。統合からまだ 3 ヶ月ですが、着々と前に進んでいるところです。
システム統合と今後の展望
カジュアル面談や社外の知人と話していると、「システム統合はいつやりますか?」という質問をほぼ必ず聞かれます(笑)
気になる論点ですよね。正直なところ、システム統合についての議論はこれから本格的に始まる段階で、まだ具体的な計画があるわけではありません。
「単純に Ordee の顧客に Camel を利用してもらえば良いのでは?」という疑問もあるでしょう。ただ、エンタープライズのお客様や、外部ベンダーとの連携開発がされているケースがあるため、顧客移行だけでは完結せず開発が発生するケースも存在します。規模の大小はありますが、何らかの形でシステム統合が必要となっています。
システム統合で解決したいこと
では、統合によって解決したい課題は何でしょうか? 大きく 2 つあると考えています。
1 つ目は、新規提案をストップしている Ordee の運用工数を減らしていきたいという点です。
2 つ目は、全顧客へのクロスセルを実現したいという点です。Camel と Ordee の両方を導入されているお客様がいる場合、新しいプロダクトを作っても 2 つのシステムで機能開発しなければならない状況があります。
目指す姿
現時点で時期は未定ですが、中長期の事業戦略を遂行するうえでシステム統合は不可欠です。プロダクト・技術どちらの側面においても決して簡単なものではありませんが、挑戦していきたいと考えています。
まとめ
2025 年 4 月、東証グロース市場の上場維持基準について「上場 5 年経過後に時価総額 100 億円以上」とする見直し案が決定されました(現行は「上場 10 年経過後に時価総額 40 億円以上」、新基準は 2030 年以降に適用予定)。この動きを受けて、スタートアップ同士の統合が進むだろうという意見も多く見受けられます。 経営統合は決して簡単ではないですが、業界へ大きなインパクトを残すための1手段になっていくはずです。
2025年お世話になった皆さまありがとうございました。2026 年も頑張っていきます!
tacoms ではテックリードエンジニアを募集中です! 少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお話ししましょう!